コラム

[PLAYER’S STORY] 都並 優太 Yuta Tsunami

J3昇格を目指し、奈良の地で戦う26人の選手たち。
「何故、サッカーなのか」「何故、奈良なのか」選手それぞれの“物語”に迫る。
(ホームゲーム週に2人ずつ更新予定)

#3 都並 優太
「都並」という重圧を背負ってきたこれまで。
その中で都並優太自身は何を想ってきたのか。
学生時代、そして今。二度声をかけられ入団へ

左足のキックを極めた小学時代

ㅤ親の影響もあり、気がついたらサッカーを始めていました。小学3年生の頃、選抜クラスに入るためにリフティングのテストがあったんですけど、全然できなかったことを今でも覚えています。セレクションに落ちたことが悔しくて、サッカーが上手くなりたいなと思い、練習を真剣にやりだしました。その頃父に「左足も蹴れるようになった方が良い」と言われて、左足で蹴る練習を始めました。休みの日に近くの土手で左足でカーブを蹴るテストがあったんです。練習を始めて2週間経っていたんですけど、全然蹴れなくて。その時父に「練習してないじゃん。だからサッカーが上手くならないんだよ」と怒られました。その時のことは今でも鮮明に覚えているくらい衝撃的でしたね。それ以来、左足を意識してめちゃくちゃ練習を重ねました。これは練習をしたと胸を張って言えます。

「都並」という重圧を背負う“都並優太”
ㅤ子供の頃から、どこに行っても「都並の息子」と言われてきました。それがコンプレックスに感じ、正直メンタルが揺さぶられた時代もありました。でも今では言われたとしても自分のことを知ってもらえているだけありがたいな、と思えるようになりましたね。あとは自分の実力がそこに伴うかどうか。父は試合を観てくれたら細かくアドバイスをくれるんですけど、これは息子の特権だなあと思いますね。素直に飲み込めない時もあるんですけど、言われていることが正しいっても分かります。アドバイスを行動に移せるかは自分の努力次第なので、そこは自分との戦いだと思っています。

矢部さんからはよく父に似ていると言われます
ㅤ今では父に似ていると言われても何とも思わなくなりましたね。自分でも映像を見ると似てるなって思います()。立ち方とか、走り方とか、プレーしている顔とか、よく似てるって言われますね。一番似てるって言われるのは疲れた時の顔らしいです()

二度声をかけられた奈良クラブ

ㅤ中学、高校は東京ヴェルディのジュニアユース、ユースにてプレーしました。そのままトップチームに上がりたかったのですが、叶わずで。でもプロになりたいって思っていたので、大学へ進学を決意しました。大学の卒業が近づく中で、Jリーグクラブからオファーがなくて、行き先に悩みました。そんな時に矢部さんが声をかけてくださって。当時の奈良クラブには先輩も多かったんですけど、その時はJリーグでプレーをすることにこだわっていて、できるだけ上のカテゴリーでやりたいと思っていたので、AC長野パルセイロの練習に参加し、入団することになりました。

ㅤその時の奈良クラブは、まだ関西リーグ所属で、今のようにJリーグを目指すっていうチームではなかったんですよね。でも今のチームはJリーグを目指せると思いますし、自分が苦しい思いをしている時にまた声をかけていただいたので、恩義しか感じていません。奈良クラブのために自分が力になれることがあるのであれば、ぜひとも力になりたいと思って決断しました。

旧友とまた同じチームでできる喜び
ㅤ奈良クラブに来てみて、練習も緊張感があって良い雰囲気でできていると思います。大学で同期の前田、後輩の布施、同い年の藤吉、AC長野パルセイロで一緒だった向さん、山田さん、金久保さん、菅野さん、と結構知り合いも多かったのですぐに馴染めました。前田とは特に仲が良くて、周りからは「ずっと喋ってる」なんても言われますがこれは大学の頃からなので仕方ないです()。藤吉に関しては、小学校の時のブロック選抜が一緒で、中学校でも試合をしていたらしいです。僕は覚えてないので藤吉の片思いですね()

新しいトレーニングの導入

ㅤ僕は結構怪我が多いので、ケアを特に気をつけるようにはなりましたね。交代浴をしたり、筋トレをしたり、と新たなことに取り組んでいます。最近では初動負荷トレーニングやストレッチなどこれまでやってことがないものにも挑戦をして新しい可能性を探っているところです。まだ始めたばかりですが、良い効果が出て欲しいなと思っています。

一つでも上のカテゴリーへ
ㅤサッカー業界ってお客さんがあって成り立っていますよね。なのでお客さんに楽しんでもらえる選手でありたいと思っています。試合に出たらチームのために戦えるよう、自分が持っている100%を常に出せる準備していきます。サッカー選手として、これって当たり前だと思うんですけど、これを続けていきたいです。あとはやはりもう一度一つでもカテゴリーをあげたいですね。実力をつけて、試合に出て、結果を出して、カテゴリーをあげる。これを繰り返して一個二個とカテゴリーを上にあげたいです。そのためにはパフォーマンスや技術の向上は必須なので、自分のプレーはもちろん、もっとたくさんサッカーを分析して、それを自身に落とし込めていけるように日々のトレーニングから努力したいです。

強い気持ちを体現するプレー
ㅤ移籍をして来たばかりなので、まだ僕がどういう選手か分からない人も多いと思いますが、自分の強みは気持ちを前に押し出した、攻守ともにアグレッシブなプレーです。そうした中でチームに良い影響が与えられる存在感のある選手になりたいです。いつも熱い応援をしてくださることへの感謝の気持ちをプレーで体現していきますので、今年からよろしくお願いします。