コラム

[PLAYER’S STORY] 西村 洋平 Yohei Nishimura

J3昇格を目指し、奈良の地で戦う26人の選手たち。
「何故、サッカーなのか」「何故、奈良なのか」選手それぞれの“物語”に迫る。
(ホームゲーム週に2人ずつ更新予定)

#5 西村 洋平
筑波大学時代に心が折れかけたことも…
Jクラブの下部組織を経験した西村だからこそ
この奈良クラブで叶えたい夢とは————

 

ひっつき虫が始まり

ㅤ僕には4つ上の兄がいます。兄がサッカーをやっていたので、幼稚園の頃から兄について行って遊んでいたのがサッカーを始めたきっかけです。その頃の僕は自分がどうしたいかよりも、兄のすることについて行くというひっつき虫な子供だったんですよ。なので兄の友達とも仲良くなって、可愛がってもらっていましたね。そのおかげで高いレベルでサッカーができていたので、兄について行って良かったと感じますね。

サッカー人生のスタートはゴールキーパー
ㅤ幼稚園の頃は兄が蹴るボールを拾ったり、キーパー役をやったりしてました。なので僕が小学生になってサッカースクールに入った時、一番最初はキーパーだったんですよ()。でも左利きだったこともあってキーパーだけではなくてフィールドもやるようになって、小2からは基本的に左サイドをやるようになりました。それからしばらくは左サイドの選手としてやってきました。

自信のキックが活かせるセンターバック
ㅤ高校2年の時、センターバックの先輩が両方引退してしまって、その当時ボランチだった僕に監督は「センターバックをやってみて」と言ってきたんです。小学校の8人制サッカー以来のセンターバックでした。実際ボランチからセンターバックになってみて、ボランチって360度からプレッシャーが来るから難しいところもあるけれど、センターバックはあまり自分の後ろからプレッシャーが来ることってないんですよね。キックには自信があったので、後ろを気にせずにプレーできて、後ろからフィールド全体を見渡して人を動かせるということは楽しいですね。ちなみにFWは小さい時からセンスがなくてやった記憶がないです()

サッカーが嫌になった大学一年

ㅤこれまで約20年サッカーをしてきましたけど、筑波大学時代が一番辛かった時期です。大学へ入学した時に、関東のレベルが高いことは分かっていたつもりでしたが、実際に筑波の試合を初めて見た時に、レベルが高すぎると感じて。1年の夏終わりにトップチームに上がれたのですが、実際に一緒にプレーするとなると、見ているだけより更にレベルの違いを体感して、心が折れそうでした。自分のミスで練習が回らない、周りからの厳しい言葉…。初めてサッカーをするのが“嫌だな”って思いましたね。それが1年の間ずっと続いて。サッカーをこのまま本当に続けられるのだろうか、って思いました。

それでも目標はブレなかった
ㅤそれでも僕はプロサッカー選手になりたくて筑波大学蹴球部に入ったという目標は変わらなかったんです。今、筑波で試合に出ている人ははるか上のレベルでプレーしている、今ここで心が折れているようではプロにはなれないって思って。同級生に愚痴をこぼした時もありましたが、ここを乗り越えたらサッカーが上手くなれると信じてやり続けました。気持ち的には本当に折れそうでしたね。

「学び」のために奈良へ
ㅤ僕自身、JFLというカテゴリーは初めてなんですが、これまでと比べてレベルが落ちるとは感じていません。僕は奈良クラブの「サッカーを変える 人を変える 奈良を変える」という、サッカーだけではなく奈良全体を変えていくというビジョンに共感しました。J3からオファーがなかったっていうのもありますが、奈良クラブでサッカーができたら、サッカーだけではなく人間としても成長できると思って選びました。

ㅤ実際に入団してみると、「N.ROOM」ではサッカー目線ではなく経営者、指導者の目線で自分がまだ持っていなかった考え方や価値観を広げられるので良い機会になっています。自分にとってはそれが新鮮で、ビジョンに向かって一緒にやらせてもらっていると感じています。

インテリジェンスフィード

ㅤ僕も今年から加入したので分からない方も多いと思いますが、プレーの特徴は左足からのロングフィードと、ビルドアップです。あとは周り全体を見渡してカバーリングしたり、ボールを大事につないだり、そこを見て欲しいです。

勝利に直接貢献を
ㅤチームとしての目標はみなさんご存知だと思いますが、JFL優勝、J3昇格。個人としてはこれまで年間を通して試合に関わり続けられたシーズンがなかったので、試合に出て勝利に直接関われるように貢献したいです。チームのために、自分ができることをやり続けていきたいです。

西村が抱き続けている夢
ㅤヴィッセル神戸伊丹U-15にいた、トップチームの試合を観に行っていたんです。その頃から将来はここ(ノエビアスタジアム)でやりたいとずっと思っています。今後奈良クラブがJ1に上がった時に、奈良クラブで欠かせない存在となって、ノエビアスタジアムで神戸と試合をして勝ちたいです。これが僕のサッカー人生での目標です。そのためには、今シーズン何としてでもJFLで優勝してJリーグに昇格したいです。奈良クラブに関わる全ての皆さん、一緒に掴み取りましょう。ご声援よろしくお願いします。