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【メソッド部門】 相互試合分析について

相互試合分析はメソッド部門のアクティビティの一つであり、別カテゴリーのチーム同士でそれぞれのチームを分析し、分析内容を議論し合います。またこのアクティビティは主に三つ目的を持って行なっています。

【三つの目的】

①     選手がチームやカテゴリーを超えて、共に時間を過ごす
普段はカテゴリーごとの練習で活動しているため、別カテゴリーの選手との交流は多くはありません。しかしながら、このアクティビティを通じて他カテゴリーの試合を見ることができ、分析した内容のフィードバックでは議論を行うことで選手同士が深く知り合うことができます。

②     選手がサッカーについて議論する
理想はクラブの至る所で、選手たち各個人が思考するサッカーについて話が行われる空間です。このアクティビティを通して、選手にとってサッカーについて話すことが当たり前の習慣になることを目指しています。

③     選手がコンセプトを学び、分析能力を向上させる
試合のなかで学ぶべきコンセプトはいくつもありますが、このアクティビティでは一つか二つのコンセプトに集中して試合を見てもらいます。試合後にはそのコンセプトに関してのスペシャリストとなり、自分のプレーにも十分に活かすことができます。

【アクティビティの進め方】

基本的に、2チーム間でお互いの試合を分析します。
まず、指導者は各チームの同じポジション同士の選手が分析できるよう、選手を割り振ります。
次に、指導者は事前に、分析するコンセプトをポジション別に用意し、選手に説明をします。
分析をするコンセプトについては数えられるものが多く、より具体的なものを選んでいます。

例)アンカー ビルドアップ 相手のプレスがかかる時、素早く味方のディフェンスラインとキーパーに対してサポートしているか。

分析する時間を決め(前半のみなど)、指導者のサポートの元、試合分析シートに記入を行なっていきます。
最終的には試合後に、選手同士でお互いにうまくいっていた点、うまくいってなかった点などを自由にフィードバックし合います。


 【今までに行なったテスト段階の相互試合分析】

今までにテスト段階として三度にわたり行ってきました。

1.       5/21 ユースAとユースB


奈良クラブアカデミーでは初の試みとなりました。試合後のフィードバックではそれぞれが持つ意見をぶつけ合う非常によい光景が見られました。特に3年生、2年生の選手たちが1年生の選手たちに身振り手振りでアドバイスを送っていました。

 
2.       7/16 ユースとトップチーム


ユースの選手がトップチームの試合を分析しました。その後、オンラインでグループごとにフィードバックを行いました。この回においては映像を見ながら議論を行えたので、トップチームの選手たちにも『その時何を考えてプレーしていたのか』、非常に細かく説明していただきました。ユースの選手にとっても、たくさんの学びがある貴重な機会となりました。
 
3.       7/17 U13とU14


序盤は分析するコンセプトに不安がありながらも、選手同士で試合を見ながら議論をする姿が見られました。新しく学び始めたコンセプトをしっかり頭に入れ、試合を見ることで間違いなく自分のプレーにも良い影響が現れたと思います。

【まとめ】


テスト段階として行ってきたどの回も、多くの学びがあり、目標を達成することができました。
普段、フィードバックをもらうのは指導者からのみで、選手から教わることはあまり慣れないことですが、選手同士が自ら意見を持ってぶつけ合うことは必ず成長につながります。このアクティビティを通して、選手たちはさらに自主性をもってコミュニケーションを取って行くはずです。


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