コラム

[PLAYER’S STORY] 曽我部 慶太 Keita Sogabe

J3昇格を目指し、奈良の地で戦う26人の選手たち。
「何故、サッカーなのか」「何故、奈良なのか」選手それぞれの“物語”に迫る。
(ホームゲーム週に2人ずつ更新予定)

#11 曽我部 慶太
“ベテラン”としての振る舞いが求められる今季。
そんな中でもサッカーの楽しさを忘れないで
自分自身やっていく————。

サッカーは好きではなかった

ㅤ始めたきっかけは、よくある兄の影響ってやつですね。僕が幼稚園の年長の頃、2つ上の兄のサッカーに付いて行っていたらいつの間にか自分も始めていました。地域の少年団に入ったんですけれど、人数も少なくて弱くて。ずっとリフティングをしていました。正直サッカーはそこまで好きじゃなかったです(笑)。

弱小から優勝へ
ㅤ小学校3年生になってチーム活動になって。地区予選の1回戦で負けるようなチームだったんですけど、自分の代だけ尼崎市で優勝、そのまま兵庫県でも優勝して(笑)。周りどころか自分たちもビックリでした。この経験が自信になったことを今でも覚えています。それまで全く無縁だった選抜にも呼ばれるようになって、「あ、あそこのチームのストライカーだ」と言われるように(笑)。Jリーグでは三浦知良選手が全盛期で、この頃からプロサッカー選手を意識し始めました。

18/500で合格
ㅤ中学はヴィッセル神戸のジュニアユースに入団しました。少年団のみんなで尼崎市のクラブチームに行こうという話があったのですが、ヴィッセル神戸のセレクションを受けました。みんなには申し訳なかったですけど、合格したので入団を決めました。

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ユース生活

ㅤ高校もそのままヴィッセル神戸ユースに昇格。当時高校サッカーの方が盛り上がっていましたが僕はあまり惹かれませんでしたね。ユースからトップにあがる事の方が魅力的だと思っていました。ユースのレベルの高い仲間達と切磋琢磨しながら成長していけたと思います。
ㅤその中でトップチームの練習に高校2年からよく参加するようになり、もしかしたらプロサッカー選手に手が届くかもと思い始めました。ジュニアユース、ユース、トップ昇格と下部組織から生え抜き選手が当時あまり出ていない状況だったので入団が決まった時は一安心でしたね。地元、兵庫県のクラブでプロ生活の第一歩を踏み出せたのは大きな喜びでした。

プロ世界の厳しさを思い知る
ㅤ順調に登って来れたと思うんですけど、昇格後、プロ世界の壁にぶつかりました。今思うとこれまでのサッカー人生で一番辛かったかもしれません。いくらユース時代に練習参加していたからといって、その時はあくまで“ユースから来ている練習生”。プロとしての振る舞いやプレー強度が求められるようになって、メンタルコントロールが物凄く大事って事を改めて思い知らされましたね。

曽我部が思うサッカーの醍醐味
ㅤ観ている人が楽しめるプレーができると僕も嬉しいですね。チームの戦術に合わせてサッカーをしている中で、観ている人が楽しくなるようなプレーができた時が凄く楽しい気持ちになりますね!僕はサッカーをする上で、あまり周りにとらわれすぎないようにしています。
ㅤもちろん監督やチームメートの言う事を実行するのはもちろんの事ですが、その中でも自分の良さを出してこそだと思うんです。せっかく好きなサッカーができているので苦しい事ばかりではなくて自分自身も楽しんでプレーするという事を思っています。その中で観ている周りの方々にも楽しんで貰えたら嬉しいですね。

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5月18日(土)掲載分

新生奈良クラブ

ㅤ今年から奈良クラブは大きく変わったなと感じています。奈良クラブの取り組みは面白いと思っていますし、中川社長の目指すものは奈良を良い方へ導いてくれると思います。。中川社長の言葉には説得力があって、もしかしたら今すぐに結果が出ないかもしれないけれど、何年もかけてプロジェクトが進行していくのは面白いですし、自分自身も現在そこに関われている事が嬉しく思います。

楽しさを求めて
ㅤ30歳を超えてきて、周りで辞めていく人をこれまで何人も見てきました。その中でまだサッカーができているのは本当にありがたいことだと思っています。これまで長くやってきたサッカーを年齢的に本気でできるのもあと少しだと感じています。これまで辛いことも、苦しいことも経験してきたので少しでも楽しんでサッカーをしたいと思います。そうじゃないと自分じゃないなって(笑)。

昇格のために、常に良い準備を
ㅤ今はなかなか試合に勝てず苦しい状況ですが、少しずつチームとしても良くなって来ていると感じています。いつ誰が試合に出ても良いように、監督が目指すサッカーをチームに浸透していけるように、チーム一丸となって昇格に向かっていきたいと思います。